『アライバル』(ショーン・タン /河出書房新社) :感想

スゴい本があったもんです。絵本と言えば絵本なのですが、言葉が一切ない、絵だけで物語を語っていくグラフィック・ノベル。

読者は、登場人物の表情、仕草、そして風景で読み取っていくことになるのですが、描きこまれた絵にはほんと、引き込まれます。

本書は子ども向け絵本のコーナーにあったのですが、これは大人向けの本と言われても違和感はありません。

大人が読めば、子どもでは感じることができないものを感じられそうです。



妻と娘を残し、新しい土地へと旅立ったひとりの男の物語。


新天地に旅立つ時の希望と不安、たどり着いた時の不安、新しい街の表情、生きていく希望と不安、その地に住み着くことができた安寧、そして・・・・・・・・・


移り住んだ先は異世界人の住む地(異形の生き物がいる!)という感で描かれていますが、初めての地というのはどこでも異世界ですよね。


私自身、とある国に住んでいたときは本当に異世界に来た感がありました。テレビでは見たことがある外国であっても。

日本国内でも、一人で移り住んだときはやはり何とも言えない感じでいっぱいでした。



アライバル---新たな地への到達----、言葉が何も書かれていないだけに、感じ方はまさに人それぞれでしょう。

私は、登場人物の表情に、見知らぬ地へ移り住んだ頃の自分の顔を見たように思います。



繰り返し繰り返し眺めるほど、いろいろな思いでいっぱいになる作品でした。





アライバル
河出書房新社
ショーン・タン


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