『続 大人の流儀』(伊集院 静 /講談社) :感想

 本書は、同名タイトルのエッセイ集の続編です。大人とは何か、というのをじんわりと考えた本でした。


 穏やかにじっくり味わっていきたいと思わせるエピソードが載っています。

 「なぎさホテル」の支配人の話は何度読んでも驚きますね。

 若者に手を差し伸べた、なんて言葉では表せない懐の深さですよ。


 その支配人をはじめ、数多くの人たちに支えられてきた伊集院氏。

 恩義を忘れず、礼をきちんと尽くすのが人として大事なこと。

 はっきりとは書いているわけではありませんが(説教臭く文字だけ並べても無粋ですものね)、その主張は強く感じました。

 
 そして、大人としての振る舞い。

 もちろん、大人の流儀とは何かなんてことがはっきり記されているわけではないですが、じわっと感じさせられました。

 ムチャクチャな生き方をしてきたように見える伊集院氏の節度というかケジメというかも、なんとなく見えてきます。

 しかし、無茶苦茶飲みつぶれているときとの落差が激しい(笑)。



 また、東日本大震災当時は、仙台のご自宅にいらしたそうで、当日からの日々について綴られています。

 凄まじい被害に言葉を失い、他人事ととしか思っていない報道にも言葉を失う。


 特に、「あの津波は映画のようだ」、なんてコメントはありえないですよね。


 “バカも度を越えると人間に見えなくなる。”

 それには私も同感です。



 そして、明かりのない中、見上げたときに見えた星の驚くほどのあざやかさ。

“-----何だ?この異様な鮮やかさは……。”


 キレイだなあなんて感想が出るわけもない状況だったわけで……この章のタイトルにもある「星」。

 その記載にはいろいろなものが込められているように思えます。



 被災地での生活、そしてそこで生きる人々。

 人として、大人としての器量は、平時よりも有事によく表れるということなのでしょうね。



 私も、普段から振る舞いには注意しないとなあと思ってみたり。

 若さ故、なんて言い訳ができない年齢になってしまっているし。


 朝に読んだら、何か気分もかなり引き締まった感じがしました。

 いや、単に寒かっただけかも(笑)。


 

続・大人の流儀
講談社
伊集院 静


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