『新参者』(東野圭吾 /講談社) :感想

 加賀恭一郎シリーズ第8作である本作。練馬暑から日本橋暑に異動したばかりの「新参者」の加賀が殺人事件の犯人を追います。

 日本橋という、義理人情に厚い江戸っ子気質と雰囲気を残している(イメージがある)街をうまく使ったストーリーだったと思います。

 

 事件捜査の過程で出会った人々にも、それぞれの人生がある。

 住人たちのそれぞれの生活の縦の時間軸を、加賀という横糸が繋いで行きます。

 加賀の聞き込み調査の過程を連作短編人情話に仕上げていく手腕はお見事だと思います。

 いろいろ技を持っていますね、東野氏は。

 殺人事件だけでなくて、家庭のいざこざや謎も解決してしまうのが加賀のすごいところでしょうか(笑)。



 私の中での加賀は、いつも真剣で真顔なイメージだったのですが、本作の加賀恭一郎像は、茶目っ気があってにこやかで。

 そういう姿がクローズアップされていて……私にとっては意外な一面を見た感じでした。
 (私が加賀像を誤解していただけかも。)



 人情たっぷりイイ話が続くものの・・・・・・・肝心の犯人像がなかなかはっきりしない。

 加賀さんにはだんだん分かってきたようなのですが、私には何だか分からず、もどかしい(笑)。

 でも、それがまた楽しい。

 ページを繰る指にも力がこもります。



 終盤に近づくにつれ、明らかになる犯人。

 コイツが犯人なのか?いや犯人っぽい臭いがするからダミーか?……と勝手に想像を膨らませるのも楽しいです。



 全体として人情話テイストが強かったせいか、クサいセリフも多かったように思います。

 また、一つ一つの話がキレイにまとまりすぎている感もありましたが、それは贅沢言い過ぎというか、難癖ですかね(笑)。

 

 読みやすくて、純粋にオモシロかったと思います。



新参者
講談社
2009-09-18
東野 圭吾


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