『チヨ子』(宮部みゆき /光文社文庫) :感想

 本書は、宮部みゆき氏自選の中短編集です。

 1999年から2010年に発表された5本の作品。

 幽霊とか幻視とかが出てくるファンタジックなストーリーもあれば、神やら何やらが出てくるSFチックなストーリーもある。

 ちょっと不思議な短編集です。




 『チヨ子』はおとぎ話のような、メルヘンチックな物語でした。

 バイトで着ることになったウサギの着ぐるみ。

 ウサギの頭をかぶって周りを見ると、何と人間がみんな着ぐるみを着ていて……

・・・・・・という展開です。


 子どもの頃に好きだったものを思い出します。

 私は・・・アレ、ですかねえ。


 しんみりするハートウォーミングストーリーでした。

 

 個人的な好みですが、『チヨ子』の次に気に入ったのは、巻頭作の『雪娘』ですね。


 雪の降る寒い夜の同窓会。

 20年前に死んだ同級生、ユキコの思い出話をしていると・・・店先にユキコの幽霊が現れた?!

 ユキコの死に秘められた真相とは------

 ・・・・・・みたいな展開です。

 
 ちょっとホラーでサスペンスなお話。

 ダークな感じもあるのですが、読後に重たさはあまり感じませんでした。

 雪の日のお話だからか、キリっとした冷涼な感覚が残りましたねえ。

  

 『オモチャ』も幽霊モノなのですが、私の好みとはちょっと違っているのか、あまり刺さらなかったです・・・。

 もしこれが、宮部氏お得意の市井モノ時代小説の設定だったらツボに入る作品になったかもしれませんが・・・・・・不思議ばなしは、私個人としては、現代モノよりも江戸時代モノの方が肌合いが合うのかも。

 

 『聖痕』は、カミサマものでした。

 テンションが独特でしたねえ。

 解説のところで、宮部氏のコメントが、宮部さん、どうかしちゃったのかもって思われるかもみたいなことを書いてありましたが、確かにこれは(笑)。

 『英雄の書』がお好きな方にはビンゴかも。
 

 
 ヤボだという意見もあると思いますが、作者による作品についてのコメントが載っているのも嬉しかったですね。


 トゲトゲしくなくて読みやすい短編集でした。
 



チヨ子 (光文社文庫)
光文社
2011-07-12
宮部 みゆき


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