『傾物語』(西尾維新 /講談社) :感想

 本作は、『化物語』シリーズ第8作目にして、前作『猫物語(白)』の一日前のお話です。


 明日から新学期なのに、夏休みの宿題が終わっていないという阿良々木暦の手伝いを申し出る忍。

 解決策は何とタイムスリップ?!

 荒唐無稽な提案にとりあえず乗っかる暦。

 彼らが辿り着いたのは、11年前の「母の日の前日」。

 それは八九寺真宵の命日の前日でもあった-----



……という感じでスタートする本作。



 阿良々木くんが取った行動は、言うまでもないですよね。

 命を落とさずにすむかもしれない真宵を見捨てることなんてできない。

 そして、人助けのつもりがとんでもない展開に巻き込まれるのもいつものとおり(笑)。


 「まよいキョンシー」というサブタイトルなのに、八九寺真宵はほとんど出てきません。

 もちろん、物語の重要な役どころは担いますが・・・。



 ストーリーは、阿良々木くんと忍の2人を中心に進みます。

 掛け合いの面白さは期待を裏切りません。

 忍は、初登場と比べると完全にキャラが違ってます(笑)。
 (この辺は、執筆が行き当たりばったりじゃないの?!って批判もあるかもしれませんが、そこはまあ、ご愛嬌)


 物語のクライマックスに、最強の吸血鬼とその眷属に立ちはだかるのは……それは読んでのお楽しみということで。



 阿良々木くんは相変わらずカッコイいこと言うし……忍も惚れちゃうんじゃないのって感じです。

 単なる信頼関係を越えた2人の繋がりは、11作目に予定されている「鬼物語 しのぶタイム」でさらに深く語られるのでしょうか。


 幸せって何なのかというのは永遠のテーマですよねえ。

 阿良々木くんが忍に会ってしまったのは全ての不幸の始まりだったのかもしれませんが、出会わない方が幸せだったか。
 そんなの言うまでもないですよね。

 今を受け入れて、今を幸せに感じている阿良々木くんはカッコいいっすよ。

 まあ、阿良々木くんは何度やり直しても忍に出会って助けちゃいそうですよね。

 真宵も、阿良々木くんに出会えたことを幸せに思っていることが、読者としても嬉しいです(笑)。



 シリーズも後半に入って、物語のまとめに入ってきた感があります。

 終わりが近づいていることを感じさせて……寂しくもありますねえ。


 エンターテイメント小説として、気軽に楽しく読めるシリーズですね~。
 読後の余韻に浸るタイプの作品ではないですが、軽妙なトークと展開を満喫できました。


 続編の『花物語』も楽しみです。




○ 「化物語」シリーズ 第2シーズン

第6巻
『猫物語・黒』  つばさファミリー
http://kemochime.at.webry.info/201012/article_28.html

第7巻
『猫物語・白』  つばさタイガー
http://kemochime.at.webry.info/201101/article_5.html

第9巻
『花物語』  するがデビル
http://kemochime.at.webry.info/201107/article_9.html

第10巻
『囮物語』  なでこメデューサ
http://kemochime.at.webry.info/201110/article_14.html

第11巻
『鬼物語』  しのぶタイム
http://kemochime.at.webry.info/201201/article_17.html

第12巻
『恋物語』  ひたぎエンド
http://kemochime.at.webry.info/201203/article_3.html




傾物語 (講談社BOX)
講談社
西尾 維新


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この記事へのコメント

2011年04月13日 21:19
こんばんは!!

アニメの方は全部視ましたが小説の方は
まだ手が出てません(笑)
GWの後半が暇なので一気に読むかな?
2011年04月13日 22:49
びぶさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

アニメでは『つばさキャット』までやったのですね。
本作の中で、阿良々木くんが、忍は危なくてアニメ化できないって言ってましたよ(笑)。

GWの頃ですとまだ『囮物語 なでこメドゥーサ』は出ていませんね。先月出た『花物語 するがデビル』までを堪能ください!
来花
2011年04月16日 09:40
「傾物語」は、まだ読んでないので読むのがすごい楽しみになりました。
阿良々木君は、カッコイイですよね。惚れてしまいそうです(笑)

あと、このシリーズの面白いところは、会話ですよね。
改めて、西尾さんは凄いですよね。
2011年04月16日 12:50
来花さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
阿良々木くんに友達がいないのが不思議なくらいですが、友達がいないから魅力的なのかもしれませんねえ(笑)。

あ。
いないのは男友達だけか・・・・・・。
みやみ
2011年08月09日 02:57
話の展開が毎回全然読めなくてww
終始びっくりさせられますよね!

ほんと、この会話劇ゎ面白い!!

しかしながらストーリーのテーマや、
全体に散りばめられた
西尾さんの考え方、っていうのかな、
そういうのの深さに
毎度色々考えさせられませんか?

西尾さんのファンになった
きっかけなのですけれど、
人生観だったり、生きていく中で
みんなが考えることだったり、
今回なら幸せとは?ってなことだったり、西尾さんの考えかたは
私のなかで全くみえていなかった所まで
照らしてくれる気がするんです。

会話劇ながら計算しつくされた展開、
娯楽小説ながらも中身あるこのシリーズが
私も大好きです。
2011年08月10日 00:46
みやみさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり、本作は「幸せ」とは何かということについて考えさせられる作品でしたね。
シリーズ後半に入って、心理描写もさらに深みが増してきたように思います。

西尾氏の作品は一通り読みましたが、このシリーズが一番好きです。
エンタメ感とシリアス感のブレンド具合が私にぴったりフィットしました。

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