『名探偵の掟』(東野圭吾 /講談社文庫) :感想

 推理小説では定番の「お約束」。そのお約束に縛られて苦労する大河原警部と名探偵・天下一大五郎の奮闘を、作家と読者への皮肉を含んだコメディとして描いている作品です。


 まぐれでも真犯人を当ててはいけないために、緻密な調査をした上で、犯人ではないと確信できる者だけを容疑者として責め立てなければならない警察。

 いちいち謎解きを披露しなければならない名探偵。

 そして、読者の意表を突かなければならない作者。


 苦労が絶えません(笑)。



 その他の登場人物たちも好き勝手に推理小説の「定番」をボロクソに言います。


 「密室の謎ですって?ふふん、陳腐すぎて笑う気にもなれないわ」

 天下一も「読者だって、密室なんかどうだっていいと思っているに決まっている」と謎解きを開陳するのを嫌がって拗ねています(笑)。


 「犯人当て」については、読者への皮肉も書いてあります。

 要旨としては、「大部分の読者は、論理ではなく、直感と経験で犯人を見破ろうとし、しかも狙いは一つに絞られているわけではない」……ああ、その通り(笑)。

 その意表を突かなくてはならないのは大変ですよねえ。


 その他にも、何でわざわざ「館」で殺さなくちやならないんだとか、ダイイングメッセージは暗号じゃなくて犯人の名前を書けばいいじゃないかとか……誰もが一度はツッコミを入れてそうなネタが満載です。


 時刻表の抜粋を載せてもいちいち確認している人なんていない……って、確かに私もそうですけどね、大御所の定番シリーズにもツッコミを入れちゃいますか……(笑)。


 まあ、マニアは細部までこだわりますしね・・・それに作家としてのプライドもありますから手は抜けないのでしょう。

 ホント、作家も大変です。



 本作は、いろいろな「お約束」を自虐的にあげつらうことによって、厳しくも安直な読者の指摘にも堪えうる作品を書かねばならないという東野氏の決意にも見えますが、それは賛美しすぎですかねえ。


 『赤い指』のような重たい作品を読んだ後は、こういう作品でブレイクするのが私の読み方です(笑)。

 次の東野作品は……『分身』にしようかな。



名探偵の掟 (講談社文庫)
講談社
東野 圭吾


Amazonアソシエイト by 名探偵の掟 (講談社文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 82

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い 面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

この記事へのコメント

2011年02月05日 22:42
私みたいな読者相手なら、作家さんも楽でしょうけど(笑)推理小説は、訳わかんなくなっちゃうので、もっぱらTVのサスペンスです(^^ゞ
推理小説。たまにはチャレンジしてみようかな?(*^_^*)
2011年02月05日 23:55
>「大部分の読者は、論理ではなく、直感と経験で犯人を見破ろうとし、しかも狙いは一つに絞られているわけではない」
ほんと、そのとおりですよね
時刻表もだけど、物理的な仕掛けなど、詳しく書かれていてもさっぱりその情景が頭に浮かばないというか・・・単に物理が苦手で理解できないだけなんですけどね(~_~;)
2011年02月06日 12:47
コメント書いたつもりが届いてないでした。
時々2回いったりしてたり・・・悩みです。
私も今度は、軽くいきたいので、このお勧め本読んでみますね。推理小説って好きなんですよねぇ~。
2011年02月06日 20:07
oriverさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

私は、トリックを真剣に考えないので(考えてもわからないし)、いつも新鮮に楽しめています(笑)。
TVのサスペンスは視覚に訴えられて怖くなってしまうので、あまり見ないです。ものすごく怖がりなので。
活字でも恐ろしい小説もいっぱいありますが、そういうものを読んだときは必ず軽いやつとかコメディとかライトノベルで気分を落ち着けています(笑)。
2011年02月06日 20:09
キーブーさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
理解できなくても楽しけりゃいい!というのが私の持論です(笑)。
湯川助教授の実験もなんだかよくわかりませんが(笑)、「なんかすげー」って喜んで読んでいます。子供みたいな読み方ですが。
でも、映像だとわかりやすそうですよね~、再放送あったら見てみようかなと。
2011年02月06日 20:10
keikoさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

しょーもないと言えばしょーもない内容なので(笑)、好き嫌いが分かれるかも知れませんね~。
気に入っていただけると嬉しいです。
2011年02月07日 05:02
こんばんは。

推理小説、好きなのですが、あまり頭を使わずに夢中になって読み進めてしまい、結局自分の頭の中であれこれ考えたり悩んだり、想像したりできてないんですよね。。。
それができれば楽しみも何倍にもなるのでしょうねー。
2011年02月07日 22:24
NADESHIKOさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

私の場合、何も考えないで読んでいるので、今日も会社で推理小説ファンの人に読み込みが浅いと言われましたが、何も考えないで読んでも結構楽しんでいるので、それでヨシとしています(笑)。
2011年02月08日 23:42
これは興味ありますね。こういうお約束にチャレンジする「富豪刑事」に近いものがありますね。興味持ちますよ。
でも、kemochime さんの内容が近くの本屋さんよりもしっかりかつ、興味をそそる内容でいいですね。
追伸:私も今日寝込みましたが、明日はコツコツ仕事します。
お互いコツコツ行きましょう。無理は禁物ですよね。
2011年02月09日 00:06
たかじいさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

『富豪刑事』!!筒井康隆さんがお好きなのですね~。
深田恭子さんがドラマをやっていた記憶があります。
昨日、『俗物図鑑』を読んだのですが、これもスゴい作品でした。筒井さんのパワー炸裂な感じでしたね~。

また、お心遣いありがとうございます。
たかじいさんもお大事に!

この記事へのトラックバック