『犬とハモニカ』(江國 香織 /新潮社) :感想

 本書は6編の短編集ですが、江國氏の作品はどれも、読者である私と登場人物たちが少し離れたところで生きているような距離感を感じるんですよね。

 その微妙な距離が物語にぼやっとしている情景のようで実はクッキリ浮かび上がっているというような不思議な感覚をもたらしてくれます。


 表題作の「犬とハモニカ」。


 表紙カバーはこの作品を表したものですね。

 物語の舞台となっているのは機内と空港ですが、真の舞台はそれぞれの心。

 ラストは清々しいです。
 
 空港でのラストらしい終わり方。


 さまざまな人々がさまざまに生き、さまざまな出会いをして、別れていく。

 心にほんの少しの動きをもたらすひとときの邂逅

 心と現実の繊細な関係を丁寧に描いていると思いました。



 「夕顔」は源氏物語の現代語訳(~風小説?)。

 現代語風にするとこんな感じになるんかあ。

 源氏物語はすごいなあ。

 
 好みの短編が多かったですね、今作は。

 心の透明度が増す作品集だったと思います。なんちゃって。




犬とハモニカ
新潮社
江國 香織


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