『ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件』(宮部 みゆき /新潮社) :感想

一つの落下「事故」から始まった悪意と犠牲の連鎖が、大きなうねりとなって中学校を飲み込んでいく。

子どもたちは、親たちは、大人たちは、学校は、マスコミは事件をどう捉え、どう捌き、裁くのか……。


 大作も大作。

 全3巻ですし。


 数多くの人物の視点で描かれていきますが、中心にいるのは、クラス委員長の優等生、藤野涼子。

 ただ彼女も登場人物の一人にすぎないと思うくらい他の人物視点の物語が多いです(最後までこんな感じなのかな)。


 柏木卓也の転落死を受け止める生徒、受け流す生徒、あざ笑う生徒、利用する生徒、立ち向かう生徒……そして、子供を受け止める親、悲嘆にくれるばかりの親、過剰に庇護する親、学校を責めるだけの親、ジッと耐える親……様々な人間模様がうねりを起こします。



 「自殺」と生徒、学校の対応、そしてマスコミ報道というのは、現代の大きな問題点です。


 特に今年は、まさに滋賀県で大事件が起こったばかりですから、本作を読みながらくだんの事件を思い起こさせずにはいられません。



 本巻のラスト、状況がさらに混沌とする中で、藤野涼子の決意は希望の光となるのか。

 いやあ、人間って怖い。

 ちょっとした悪意が転がり続けると雪だるま式にデカくなる怖さがあります。



 700ページというボリュームですが、あっという間にストーリーに没入し、気づいたら読み終えていました。

 まだあと2巻あるのがとても嬉しく思えるくらいの作品でした。



 早く続きを読まなくては!




ソロモンの偽証 第I部 事件
新潮社
宮部 みゆき


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