『禁断の魔術 ガリレオ8』 (東野 圭吾 /文藝春秋) :感想

 7に引き続き、本書もガリレオシリーズ短編集ですが、読みどころは、湯川が罪を犯すことも厭わずに毅然と過ちを犯そうとする者に立ち向かう「猛射つ」でしょう。


湯川が殺人犯に?

 という本書の帯の煽り文句はこの作品です。


 レールガンは人殺しの道具ではない。

 教え子を信じ、守る。


 シリーズおなじみの科学トリックだけでなくて、普段は超冷静クールな湯川の人間味を味わう作品が増えてきました。



 巻頭作の「透視す」も哀しいけど人情の温かさを感じる作品。

 読み始めたところではこんな結末が待っているとは思ってもみませんでした。

 湯川ってこんなに分かりやすいイイ奴でしたっけ?



 野球ファンの私には「曲球る」もグッドでした。

 引退の近いベテラン投手の最後の一花が泣かせます。


 草薙刑事や内海刑事との繋がりが更に強くなるにつれ、湯川先生も科学では説明が付けきれない人の機微に興味を持ち始めたのか……いや、本来の優しさを隠さなくなってきたということですかねえ。


 科学トリックよりも、湯川学という男を味わう作品集だったような気がします。

 人情モノ大好きな私にはフィットした短編集でした。



○ リンク : 「ガリレオ」シリーズ

『探偵ガリレオ』(文春文庫)
http://kemochime.at.webry.info/201012/article_8.html

『予知夢』(文春文庫)
http://kemochime.at.webry.info/201101/article_20.html

『容疑者Xの献身』(文春文庫)
http://kemochime.at.webry.info/201011/article_13.html

『ガリレオの苦悩』(文藝春秋)
http://kemochime.at.webry.info/201012/article_2.html

『聖女の救済』(文藝春秋)
http://kemochime.at.webry.info/201012/article_11.html

『真夏の方程式』(文藝春秋)
http://kemochime.at.webry.info/201110/article_26.html

『虚像の道化師 ガリレオ7』(文藝春秋)
http://kemochime.at.webry.info/201211/article_27.html







禁断の魔術 ガリレオ8
文藝春秋
東野 圭吾


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