『風の中のマリア』(百田尚樹 /講談社文庫) :感想

 本作の主人公は、「疾風のマリア」という異名を持つ名うての戦士。
 戦陣を切り裂く、一騎当千のオオスズメバチです。

 人間の世界の話かと思いきや、読み始めていきなりオオスズメバチの世界でしたから、意表を突かれました~。


 マリアの武勇伝と冒険譚の形式で、オオスズメバチの世界や生態が非常に詳しく語られていきます。

 学術的な内容も満載で、教育テレビでもいけるんちがうかと思うくらいなのですが、とっつきにくさはありませんでした。

 マリアの進む未来が気になって、ざくざくページを繰ってしまいます。


 何せ、最初からオオスズメバチのワーカーの寿命は30日と書かれているので、いきなり生涯のカウントダウンが始まっているようなものですもの。

 無駄に過ごせる時間なんてないですよ。

 激闘、追悼、葛藤、そして恋。

 どちらかというと恐怖の対象だったスズメバチが畏敬の存在になりました。

 でもやっぱり怖いかな(笑)。



 他のハチたちの特性もとても興味深かったです。

 虫たちの会話の知的レベルが高すぎて、ある意味胡散臭いですが(笑)私の、子供っぽい好奇心を刺激してきましたよ。

 これは面白いです!


 隆盛を極めたオオスズメバチの帝国の宿命。

 マリアの運命も何となく感じさせます。

 儚い生へを懸命に生きるものへの賛美の気持ちも湧き上がりました。


 スズメバチへの見る目がちょっと変わる物語だと思いますよ。

 でもやっぱり怖いことには、変わりないですけどね(笑)。




風の中のマリア (講談社文庫)
講談社
2011-07-15
百田 尚樹


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