『カササギたちの四季』(道尾秀介 /光文社) :感想

 本年1月に直木賞を受賞した道尾秀介氏の、受賞後第一作と銘打たれた本作。


 「リサイクルショップ・カササギ」で働く日暮と、旧友で経営者の華沙々木。そして、近所の中学生の菜美。

 この3人を中心にストーリーが語られます。


 最初の2話は、華沙々木が迷探偵推理を披露し・・・・・・華沙々木を慕う菜美がその推理に感銘を受け・・・・・・菜美をがっかりさせないように、そしてその笑顔を守るために、日暮が影でフォローに奔走し・・・・・・そして解決した後で(しかしそれは思い込み。真相披露は日暮が別途こっそり行う)、さすが華沙々木さんっ、と菜美が華沙々木に飛び付く……・・・・・・という展開です。


 2話までは、予定調和な感じだったので、お約束の展開モノのコメディ短編かなと思って読み進めると・・・・・・いい意味で裏切られました。

 わたし的には、4話ともお約束コメディ展開であってもオッケーでしたが、第3話でちょっと方向転換し・・・・・最後の、「冬 橘の寺」は、ジンとくる話でした。

 全体の構成的にも、連作短編の良さが出ていたと思います。


 
 各話の冒頭に出てくる住職は、お約束の美学を受け持つコメディ担当かと思っていましたが、最終話でイイ役回りをしてくれました。


 3話の菜美の話もイイ話でしたが、人情話としてはちょっと軽いですかねえ。重たい人生を背負っているお父ちゃんが、ちょっとリアリティが薄かったというか。



 住職とその息子の繋がり。

 菜美と家族の繋がり。

 見えないところでもしっかりと繋がっているのがイイですね。



 コメディミステリから人情話まで楽しめました。

 本格派ミステリでないことは最初の1ページでわかるので、力を抜いて読んでいたら、油断したところに人情話がきてちょっとやられたって感じでしたね。


 華沙々木も単なる賑やか師ではなさそうですし、菜美も、日暮が思っている以上にしっかりしてて、細やかな子のように思いますし・・・・・・気になる伏線もありましたし・・・・・続きを読んでみたい、そう思わせる作品でした。

 続編はあるのかな?

 まあ、日暮は続編でも苦労してそうですね(笑)。



カササギたちの四季
光文社
道尾秀介


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