『銀の匙』(中勘助 / 岩波書店) :感想

 詩人・中勘助氏の自伝的小説と言われている本作。

 幼少の頃の美しき思い出をやわらかい言葉で綴っていきます。
 
 夏目漱石が絶賛したらしく、当時の朝日新聞に連載されていたそうです(漱石のプッシュがあった?)。



 お気に入りの小箱の中にある銀の小匙をきっかけに、幼少時代を回想する形で物語が始まります。



 伯母の愛情に包まれた日々。

 子供の目から見ると、世の中の景色ってこんなに明るいんだということを思い出させてくれました。


 大きくなってから伯母に会いに行った情景が私にとってベストシーンですかねえ。

 伯母さんが嬉しさを体いっぱいに溢れさせていることが感じられて、グっときました。



 大人になってから読むと、ノスタルジックな感傷もあいまって、結構引き込まれてしまいますね。

 子供の頃に読んだときとは全く違った感慨を覚えました。



 普段読んでいる現代小説に比べると、ちょっと古めかしいのですが、とてもステキなんですよ。

 スーっとしてて、スラっとしてて、さらさらした感じで。(あ、全部同じか(笑)?)

 大正浪漫への憧れがある私の目から見ると、かなり上方に補正がかかる傾向にはありますけどね(笑)。


 
 解説にも書いてありましたけど、作中の擬音語・擬態語がいいんですよね。

 とてもいいんですわ、ほんと。

 すごくやわらかくて、優しい音の表現なのです。日本語がまた好きになります。



 雨の日の昼下がりを、穏やか~な気持ちにさせてくれた一冊でした。




銀の匙 (岩波文庫)
岩波書店
中 勘助


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