『赤い指』(東野圭吾 /講談社文庫) :感想

 本作は、家族の絆を描いた物語です。年始にドラマが放映されていたそうで……東野圭吾氏の作品は映像化されまくりですね~。


あらすじとしましては……


 前原昭夫は、ごく普通の一家の主。

 
 妻からの電話を受け、急ぎ帰った我が家で待っていたのは、少女の死体。

 犯人は息子。


 妻の取り乱しぶりと、ボケた母の奇行が前原を苛立たせる。

 覚悟を決めた前原は、息子の罪を隠し通す道を選ぶ。


 公園のトイレで発見された死体。

 事件を担当した警視庁の松宮は、従兄でもある所轄の加賀刑事と共に事件を捜査する。

 加賀刑事は、前原家をじわじわと追い詰める。


 このままでは逃げ切れないと悟った前原。

 そこに浮かんだ恐ろしきアイディア。

 前原の打った最後の一手は加賀を振り切ることができるのか-----


……という感じのストーリーです。


 取り上げているテーマは、少年犯罪と認知症介護。

 東野先生、これまた重い話を……。

 しかも被害者は幼い少女。もう最初のあたりは読んでいて居たたまれなくなってきました。


 妻は取り乱しちゃってるし、母はボケちゃって何しでかすかわからないし、犯人である息子は、他人ごとのようにしか思っていないし……こんな状態でも逃げ切ろうと思ってしまう無茶な前原ですが、まあ極限状況に置かれると冷静な判断はできなくなりますもんね。

 そこに登場するのが、怜悧明晰にしてじっとりじわじわ犯人に食らいつく加賀刑事の登場です。

 じわじわ追い詰められる前原が取った最後の手段が、これまたよくそんなことを思いつくよなというモノ。

 うまくいってもいかなくても、哀しみしか残らない手段を使いやがって……。最後の使い道だと思ったのでしょうが……。


 「赤い指」に込められた思い。

 つい涙ぐみそうになりました。


さて。

 
 本作では、前原家に加えて、松宮刑事と伯父の絆、そして伯父とその実子である加賀の関係という人間ドラマも楽しめます。

 この上なく陰惨な事件でしたが、最後にちょっとカタルシスを感じることができるのが救いでしょうか。


 介護やら少年犯罪やら、いろいろ考えさせられました・・・。

 ズシーンときたので、次は軽いの読みます(笑)。




赤い指 (講談社文庫)
講談社
東野 圭吾


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