『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎 /新潮文庫) :感想

 本屋の目立つ所に平積みになっていた本作、最近読み始めた伊坂幸太郎氏の作品だったので、目に留まったのも何かのご縁かと購入しました。

 本屋の策略にまんまと乗せられてしまっています(笑)。



 題材としては、無実の罪を着せられた主人公が追跡から逃げるという、ある種、使い古されたものなのですが、本作にはこれにケネディ暗殺のときのような「真実は闇の中」的なテイストが加わります。


 スピード感もとてもあって、ページがぐいぐい進んでいきました。


 あらすじとしましては……


 仙台で凱旋パレードを挙行していた首相夫妻の車の所に、ラジコンヘリが近づき、搭載していた爆弾で爆殺という前代未聞のテロが起こった。

 犯人は、青柳雅春と発表される。

 しかし、青柳には、全く身に覚えがなく、警察らしき者に追われている今の状況が理解できない。


 学生時代の友人が、会社の元先輩が、青柳を逃がすために、体を張る。


 逃げ切るには助けてくれるという人を信じるしかない。


 しかし包囲網は徐々に狭められ、青柳も覚悟を決める。

 
 青柳が最後に取った選択とは……


……という感じの作品です。


 本作では、友情と親子の愛が濃く描かれており、そして信頼が逃亡のカギとなります。


 友人の森田や後輩のカズ、昔の恋人の樋口晴子、会社のロックな先輩、花火工場の社長親子たち・・・・・・青柳を信用し、そして青柳が信頼する仲間たちとの関係、また、マスコミの暴虐に晒されながらも息子の無実を信じ切っている父の描写がとても眩しく思いました。


 登場人物と青柳との熱い関係には、ホント羨ましさを覚えます。

 青柳の境遇には羨ましさを全く覚えませんけどね(笑)。


 救われない青柳くんですが、ラストシーンには救いを覚えました。
 
 パァっと、光が差したような感じがしました。
 
 私としては、好きなタイプのいいラストだったと思います。



 また、張り巡らされた伏線もキレイに回収されるので、スッキリ感もあります。


 『砂漠』もそうでしたが、伊坂氏の作品は友情を扱ったものが多いのでしょうか。

 命を張れるだけの友情もカッコよかったですし、晴子の援助の仕方も素敵でした。
 
 直接顔を合わせたのは、結局一度すれ違っただけという2人ですが、顔なんて合わせなくても気持ちは通わせられるのですよね。

 何かほんとドラマみたいで……まあ、ドラマなんですけどね(笑)。


 本作は、友情物語としても楽しめますし、逃亡活劇エンターテインメントとしても、とても楽しめると思います。

 私は十分満足しました~。



ゴールデンスランバー (新潮文庫)
新潮社
伊坂 幸太郎


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