『武士道シックスティーン』(誉田哲也 /文春文庫) :感想

 剛の磯山香織と、柔の甲本早苗。
 異なる剣の持ち主が好敵手として向き合う青春剣道ストーリーです。

 
 中3の9月、市民大会。

 全国中学生大会準優勝の香織は強さを見せ付ける。

 四回戦でまみえたのは、奇妙な対戦相手・甲本早苗。

 強さが感じられない早苗に、香織は敗北した。

 負けた理由を明らかにするため、香織は早苗も進むという東松学園に進学する-----


・・・という感じでスタートするのですが、周りは「全てたたっ斬る」のがポリシーの香織ですから、チームの輪を乱す乱す(笑)。

 同じチームになればいくらでも叩きのめす機会があると思ったのに、早苗は拍子抜けするほど歯応えがなくて香織はイライラ。

 それでいて、強い先輩に勝ってしまうことがある。

 何で早苗が自分に勝ったのかがよくわからず、当たり散らす香織。

 最初の頃はもうひどい荒れようで・・・・・・駄々をこねる子供よりヒドい(笑)。


 そんな香織も早苗との交友(大半は八つ当たり)を通じて少しずつ変わっていく姿が良かったですねえ。

 何事においても、良きライバルに巡り会うのは自分を伸ばす最高の手段ですよね。



 もう一方の主人公、早苗にしてみればとばっちりの連続で不憫(笑)。

 でも早苗は献身的といっていいくらい香織に接していきます。

 普通だったら怖いから避けると思うんですけどねえ~。香織は怖いですよ、ほんと。男でも避けてるようだし・・・。
 でも、そこで飛び込めるのが早苗の強さなんでしょう。

 

 そして香織は己の剣道を悩みに悩み、負け続けてまた悩んだりと、高校入学以来ずっと悩んでいる感じです。

 これも全部早苗のせい(笑)。

 でも、そんな香織を支えるのも早苗であって。

 早苗は早苗で香織との出会いでいろいろしっかり考えるようにもなり、心も強くなっていくのが……ああ、青春青春!



 ところで・・・・・・剣道の試合中に選手が発する気合いの入った声。

 実際の試合を見てても何を言っているのかよく聞き取れないのですよね・・・・・本書でも山のように出てきますが、やっぱり解読できません(笑)。

 ただもちろん、気合いはビンビンに感じます。

 重要なのは気合いですからね、気合い。人に聞かせるために声を出しているわけではないですし。
 

 本作の試合シーンでは、緊迫感と臨場感を感じることができましたね~。

 私にとって剣道の醍醐味とは緊迫感なので・・・・・・もうちょっとジリジリする感じがあった方が好みかも。

 まあ、今の早苗にヒリヒリするような緊張感を醸し出す雰囲気はないですからね~、反面、香織は尖がり過ぎ(笑)。


 「負けとは死だ」と言って憚らない香織は行き過ぎかもしれませんが、まあ武士道モノが好きな私にはゼンゼンオッケー(笑)。

 最後までカブき通してほしくもありましたが・・・・・・全身が刃だった香織も全身が霞のような早苗と接するうちに丸くなってきたのがちょっと残念。

 成長しちゃいました(笑)。



 早苗は香織の見立て通り、地味ぃに強くなっていきます。

 捉えどころのない剣はそのままに。

 本作のラストでは状況が一気に変わり、2人が手を取り合って強くなる友情部活展開ではなくなります。

 伏線もありましたしお約束の展開ではありますけどねぇ、ちょっと驚きました。香織が受けたであろう驚きほどではないですが(笑)。



 良き好敵手に巡り会えた16歳の2人。

 そして『武士道セブンティーン』に続きます。


 
 メインキャラ以外の登場人物についてちょっとだけ。

 慈母のような早苗ですが、上には上がいるもんで、河合さんという先輩(次期主将)は、まさに聖母(魔性説アリ)。

 終わりの方では香織と河合さんとの距離は縮まったようで、今後、河合さんがどう絡むのかがちょっと楽しみです。

 空気キャラにはならないでほしいですねえ。


 また、香織にとっての仇敵、岡巧との絡みがあまりなかったのはちょっと拍子抜けでしたが、まあ香織にとって岡巧は剣の道に邁進するキッカケに過ぎなかったってことなんですかね。

 初期は巧の存在が結構大きく描かれていたのにこのまま終わるのはちょっと寂しい気分です。

 続編でも巧は絡んでくるのかなあ。
 


 さっそく続きをゲットしに行こうっと。



武士道シックスティーン (文春文庫)
文藝春秋
誉田 哲也


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この記事へのコメント

2011年06月17日 13:10
記事とは関係ないですけど、
先週からTVで東野圭吾のドラマ3週連続で
始まりましたね。
やっぱりはまりますね。その間何もできないです(笑)
今晩も見なくては。失礼しました<(_ _)>
2011年06月17日 22:53
私は武士道でなく、騎士道の方のスポーツをしてました(^_^)
武士道と違い、アタックが決まった時のガッツポーズはつきものでしたね!でも、騎士道のスポーツでも「おりゃー!」って言っている人いましたよ(^_^;
2011年06月18日 01:10
keikoさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
東野圭吾氏ドラマが3週連続ですか・・・すごいですねえ。TV界でも引っ張りだこですね。
うちの妻は2時間ドラマを見ると心が落ち着くと言っています。癒しだそうです(笑)。
2011年06月18日 01:13
たかじいさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

騎士道のスポーツ・・・・・・フェンシングでしょうか?!
何事も気合ですからね、やっぱ声は重要ですよね。
nicomama
2011年06月21日 21:17
面白そうなストーリーですね。息子1号が小学校六年まで習っていたのですが、大会によく当たり、なかなか勝てない子がいました。それでもたまに勝てた時なんか親たちはウエーブまでしちゃうくらい大喜びでした。初めて勝ったとき、なんとガッツポーズをしてしまい物言いがつきました。礼に始まり、礼に終わる。いきなりのガッツポーズは……ね。最後の大会で個人優勝した時は本当に嬉しかったです。懐かしいな。是非、読んでみますね。
2011年06月22日 23:55
nicomamaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
おお!!!剣道をやっておられたのですかあ。しかもなかなかの腕前のようで、素晴らしい!!!

かっこいいんですよねえ、少年剣士。
うちの子にもやらせようかな・・・・・・。

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