『Sweet Blue Age』(角田光代、有川浩、桜庭一樹 他 / 角川書店) :感想

 タイトル通り、甘くて切ない青春時代の物語が詰まった本作。


 角田光代さんの『あの八月の、』は、元「キネマ友の会」の仲間たちが、夜中に忍び込んだ母校で、10年前に撮った映像フィルムの鑑賞会を始めようとするところからスタートします。


 年頃の女と男がいれば、いろんな関係が生まれますよね。

 スクリーンに映し出される20歳の頃の彼女たちは、感情や思惑を表情や態度から隠し切れていない。

 昔の自分たちを見て、笑い、懐かしみ、そして切なくなる。


 わかりますねえ、その気持ち。

 30歳くらいのときに、学生時代を回顧したときに湧き上がった気持ちを思い出しました。


 懐かしく、また、切ないのに、口から出てくる言葉は自然に冷静。
 ああ、大人になっちゃったなあ、って悲しくなる瞬間。

 女と男の関係って、理屈じゃないことだらけで……説明不能な感情で押し流されてしまっていた当時の彼女たち。

 その感情はいつまで経っても不可解のままなんですよね。


 女性視点のお話ですが、男の私でも共感できる感情に溢れている作品でした。




 有川浩さんの『クジラの彼』は、潜水艦乗りの自衛官・冬原と出会った聡子の物語。

 潜水艦乗りと付き合うというのは、待ち、耐えることなり。


 「どれくらい『きつい』か分かんないけど、我慢したいから」


 寂しさに押し潰されそうになりながらも、我慢する聡子。

 有川さんの描く女性たちは、強くてキレイでカッコいい。

 凛とした強さがあるんですよね、だからキレイ。
 
 冬原も、聡子も、我慢して、でも好きで、でも辛くて……という日々。

 迎える結末は……さあどうなるでしょう?!



 桜庭一樹さんの『辻斬りのように』は、『少女七竈と七人の可愛そうな大人』の最初の章にあたる作品です。

 
 瞬間瞬間の感情をビシズバッと描く、とても桜庭さんらしい作品だなと思いました。

 自分を変えてみたくて、辻斬りのようにバッサバッサと男と寝ていく主人公・優奈。

 あっという間の狂乱の日々。
 その前後での優奈の気持ちの変化はあったのでしょうか。そして優奈の子、七竈の物語に続いていきます。



 森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』は、清楚なお嬢様がキリリと歩くような物語かと思いきや・・・口調だけ清楚でしたが、結構破天荒なストーリーでした(笑)。

 格調高い文語調で繰り広げられる突飛な展開、変な事件。

 京の都の裏通りでの不思議な出会い。奇抜なキャラクター。
 
 ふわふわとした雰囲気の中での恋物語、導入編。

 かなり独特な世界ですから、これは好き嫌いが分かれそうですね~。

 本作がフィットした方は、是非、全編(同名の単行本:『夜は短し歩けよ乙女/角川書店)を読んでみてください~。


 
 全7作品を読みながら、過ぎ去った我が青春時代を回顧してしまいました(笑)。


 また、本書は表紙が鮮やかで目を引きました。青春時代は鮮やかなり、ってことですかねえ。




○ 収録作品

「あの八月の、」 (角田光代)
「クジラの彼」 (有川浩)
「涙の匂い」  (日向蓬)
「ニート・ニート・ニート」 (三羽省吾)
「ホテルジューシー」 (坂木司)
「辻斬りのように」   (桜庭一樹)
「夜は短し歩けよ乙女」   (森見登美彦)



Sweet Blue Age
角川書店
有川 浩


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この記事へのコメント

2011年04月28日 23:59
明日から実家へ。その新幹線で読むのに丁度よさそうですね。
表紙について同感!素敵、好みです。持っていてワクワクする色です。
2011年04月29日 10:22
pass子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

新幹線は混んでますかねえ。妻子が実家に行く予定なのですが、指定席を押さえていないので・・・まあ、出たとこ勝負で頑張ってもらうしかないですが・・・。
わたしのGWは断続的に労働です~、地味過ぎですなあ。
2011年04月29日 10:55
b(^o^)d w(^0^)w オハヨーゴザイマス♪
森見登美彦氏のこれは、面白かったですd(*^ー゚)b グッ!!
さて、連休なので、積読そのまま枕に爆睡、読んだことに、を解決したいなあと思います。
桜庭一樹女史、読んでみたい作家ですので
2011年04月29日 14:02
青春時代の懐古ですか、、、いいですね!
仙台で過ごした青春の日々なので、どうしても今、いろいろな気持ちになります。
2011年04月30日 09:04
なかなか錚々たるメンバーですね。
青春小説は、たまに必要ですね。
私は「青い山脈」と「若い人」をこの連休に読んでみようかと思っています。
BOOKOFFを探さないと…。
2011年05月01日 23:48
こんばんは。
甘くて切ない青春時代・・・そんな時代もあったわね遠い目をしてしまいます(笑)
男女の絡みの小説は、もう長いこと読んだことがないですが、今読んだらどんな気持ちになるかしら?と興味がわきました♪
2011年05月02日 21:23
メロンパンさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も積み本を平らげたいのですが・・・いろいろと慌しそうで・・・本を読めるのも電車の中だけになりそうです。無念。
2011年05月02日 21:25
たかじいさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
仙台はだいぶ活気が戻ってきたと聞いていますが、それでもまだまだ元に戻るのには時間が掛かりそうだそうで・・・・・・東北地方の一日も早い復興を願ってやみません。
うちの会社も東北救援隊を派遣していますが、いった人の話を聞くとほんとすごい状況だそうで・・・。
2011年05月02日 21:28
かわいさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

おお!石坂洋次郎氏ですか!!最近読んでいませんが、そう聞くと私も読みたくなってきましたねえ~。
2011年05月02日 21:30
桜子さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

青春時代・・・・・あの頃は若さの価値がわかっていませんでした(笑)。
時間を無駄遣いしたような気もしますが、無駄に時間を使ったのもまたいい思い出ということにしています。

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