『長門守の陰謀』(藤沢周平 /文春文庫) :感想

 本作は、時代物の全5編の短編集です。短編集って、巻頭作と表題作が重要だと私は勝手に思っているわけですが、この短編集はどちらも秀逸。もちろん、その他の3編も市井の人情溢れたイイ作品です。


 
 巻頭作『夢ぞ見し』は、一藩士の生き様をその妻の視点から描いています。

 家に転がり込んできた謎のボンボン風の男と夫との関係がちょっとだけ気になる妻。

 そしてボンボンにちょっとときめいたり。

 口が重くて、風采の上がらない夫のことを思うと溜め息が出てしまう。

 しかし、そんな夫が実は………ということで、妻が見直すという展開かなと思ったのですが、ちょっと違いました(笑)。
 男からするとちょっとカッコいいんですがねえ。

 藩士の生き様を直接的でない描き方で鮮やかに浮かび上がらせているのが流石の一言です。

 晴れやかな感じのする結末でした。




 『春の雪』と『夕べの光』、そして『遠い少女』は、市井の男女の人情噺です。

 町人の色恋沙汰は、身近に感じるから引き込まれるのでしょうかねえ。


 『春の雪』のみさちゃんのココロはあまりよく理解しきれていないのですが、それは私が野暮だからでしょうねえ。
 なんかみんなが切なくなる幕切れでした。



 『夕べの光』のおりんさんは、イイ女でイイ母ちゃんです。私としては好きな終わり方でした。



 『遠い少女』は、旦那が切ない。まさに、遠い少女……。



 『長門守の陰謀』は、先日読んだ『ただ一撃』(『暗殺の年輪』所収)にリンクしたお話です。

 荘内藩お家騒動を描いた本作では、廃嫡を企み、執拗な謀を張り巡らせる長門守と、世嗣派の争いが描かれています。
 
 両者の争いは混迷を極めますが、意外な終焉を迎えます。

 戦いが終わり、残されたのは孤独。

 読後にぽっかりとした喪失感を感じる作品でした。
 そして誰もいなくなった、みたいな感じで。



 今から30年以上前の作品が集められていますが、どれも色褪せない輝きがありますね~。
 
 時代小説にハマりそうな予感です。



長門守の陰謀 (文春文庫)
文藝春秋
藤沢 周平


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この記事へのコメント

2011年03月08日 23:50
時代小説、大好きです。池波正太郎氏はよく読みました。
この本、興味わきます(^_^)読んで見たくなりますね。
ちなみに、京都に初めて来た時も浅田次郎氏の壬生義士伝を読んで、最初に行ったのは壬生寺でした(^_^)
2011年03月09日 22:41
たかじいさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
池波氏も大好きです!
壬生義士伝も大好きです!
壬生寺は近くを通ったことしかないので、次に京都に行った際には是非いってみたいと思っています。

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