『鳥人計画』(東野圭吾) :感想

 近所の書店では、「東野圭吾の大ジャンプのもととなった作品」というポップ付きで、お勧めコーナーに置かれていました。

 そのポップの通り(?)、本作は、スキーのジャンプ競技を舞台とするミステリです。


 ストーリーとしては……

 日本ジャンプ界の第一人者である楡井が毒殺された。

 楡井は毒入りカプセルを服用したと思われるが、毒を仕込んだと推定される時間帯には、関係者全員にアリバイがある。

 難航する捜査。

 そこに、犯人のもとへ自主を勧める手紙が届く。トリックは完璧のはずなのに、なぜ自分が犯人とわかったのか。

 犯人はなぜ密告者が自分にたどり着いたのかを推理する……

・・・・・・というような感じで展開します。


 ジャンプ競技者たちの命懸けの努力、海千山千の駆け引き、誘惑と忍耐、そして苦悩が描かれているのですが、輝かしい表舞台の裏にある暗い部分を垣間見たような気分になりました。

 いや、もちろんフィクションなのでしょうけど。

 
 本作が発表されたのは1998年。


 そう、長野オリンピックの年です。


 日本中がジャンプ競技に注目し、熱狂したことを思い出します。



 現在では海外勢との格差が広がってしまっていると言われている中で、選手たちは、ツラいなんて言葉では片付けられない程の重圧を背負って戦っているのだろうと思います。

 我々観客は、無責任に長野の栄光と比べますからねえ……。



 本作中でも、海外勢との壁を越えられない選手たちと所属チームのもがきと苦悩が描かれ、全体が逼迫感と焦燥感で埋め尽くされています。


 ジャンプ技術を科学的に解明できても実践できるものではない、というのがスポーツの難しいところですよね。

 わかっているのに、その通りにできない。

 本作における悲劇は、そういうところからも生まれたのだろうと思います。

 

 少数が独占する栄光の裏にある、数多くの羨望と鍛錬と挫折と策謀と後悔とが入り混じったこの作品。


 読んでからジャンプ競技を観ると、また違った感想を持てそうです。



鳥人計画 (角川文庫)
角川書店
東野 圭吾


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この記事へのコメント

2010年12月25日 00:29
スキージャンプ競技はよく見ているので、ぜひとも読んでみたい本ですね。ご紹介ありがとうございます。kemochimeさんのブログ見ていると読みたい本が増えますね(^_^)
2010年12月25日 07:38
この小説はたいへん地味ですよね。
5年ほど前に読みました。
ジャンパーたちの人間関係が淡々と描かれていました。
東野さんは、この翌年『秘密』と『白夜行』でブレイクしたのですね。
2010年12月25日 09:36
たかじいさん、おはようございます。コメントありがとうございました。

スキーのジャンプは最近見てないので、状況がよくわかっていませんが、今年は見てみようかなと思っています。
まだ長野オリンピックで活躍した選手が現役を張っておられるというのには驚きですね~。岡部選手とか。
2010年12月25日 09:41
かわいさん、おはようございます。コメントありがとうございます。

確かに地味ですね(笑)。淡々と、ぽつぽつと語られていく感じで。

なるほどこの翌年からブレイクなのですか~。
本屋のポップは、ちょっとフライング気味の煽りだったのですね(笑)。
2010年12月25日 10:28
kemochime さん
メリー・クリスマス~
コメントありがとうございました
楽しいクリスマスをお過ごし下さいね
2010年12月25日 10:42
さささん、こんにちは。ご丁寧にありがとうございます。

さささんも楽しいクリスマスをお過ごしください!
2010年12月25日 12:40
kemochimeさん
Merry Christmas
いつもありがとうございます
素敵な週末を
2010年12月25日 21:33
サスケ&たんぽぽさん、こんばんは。

ご丁寧にありがとうございます。

素晴らしい週末をお過ごしください!
2010年12月25日 23:46
犯人が、なぜ密告者が自分にたどり着いたのかを推理する推理小説って、初めてです。おもしろいですね♪
『鳥人』というので、一瞬、お笑いコンビ『笑い飯』のネタに関係あるのかなと思ったりしましたが・・・そんなわけないですよね^^;
2010年12月26日 17:07
キーブーさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

「鳥人」とは、フィンランドの英雄・ニッカネンに付けられた愛称だそうです。
本作でも追いつけない背中として、ニッカネンの名前が登場します。
ニッカネンに一番近い男、楡井が殺されたことでジャンパーたちの動きがキナ臭くなっていくのです・・・・・・

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